「リアリティーがわかない」。大阪(伊丹)空港のあり方について議論するために大阪府池田市内で2月15日に開かれたタウンミーティングで、伊丹廃港の持論の橋下徹知事に向けられたパネリストの発言だ。
知事の構想の実現性に疑問を抱く府民の思いを代弁している言葉ではないだろうか。知事の構想は、利便性が悪い関西国際空港へのアクセスを改善し、現状の運用枠の範囲で伊丹をフル活用し将来的には廃港にする。その跡地には特区を導入し、国際学園自由都市にするという壮大な計画だ。 この計画の要となるのは関西国際空港へのアクセス改善にある。府の資料では、15年後のなにわ筋線の開通で市内中心部の北梅田から乗り換えなしで関空まで30分台。25年後のリニア中央新幹線の大阪延伸で、都心と7分でつなぐという。 だが、25年先のリニアは別にして、より現実的ななにわ筋線でさえ、国がまだ需要や採算性を見極めるため調査している段階にある。3000億円以上の事業費が推定され、深刻な不況のなかで事業化のめどはたっていないのが現状だ。 知事は「政治家は将来のビジョンを示せばいい」「国は伊丹を自然消滅させるつもり。先に地元から国に廃港のカードを突きつけ、有利な交渉を進めるべき」といって廃港を声高に叫んでいるが、こうした背景を考えると、一方でクリアしなくてはならないハードルも多いことに気づかされる。 昨年末の関西3空港懇談会で、橋下知事は兵庫県の井戸敏三知事らが唱えた3空港一元管理案を「竜宮城のような議論」「一元管理をやっても国土交通省の(成長戦略)会議のメンバーや大臣(前原誠司・国交相)は1ミリたりとも動かない」などと批判。最近では「国交省にはまったく理念が感じられない」と言い及ぶようになった。 こうした橋下知事の発言は歯切れが良く、簡明でわかりやすい。ただ、都合の悪いデータを省いて説明していては「あなたの話こそ竜宮城的」と応酬されることになるだろう。(今西和貴) 【関連記事】 ・ 橋下知事“空港維持”豊中市長を批判 廃港派選挙応援は撤回 ・ 大阪・堺市議に参加要請 「橋下党」23日準備会 ・ 減収深刻な大阪府予算、“橋下流”改革も限界に ・ 「パーフェクトな予算」橋下知事が自画自賛 ・ 橋下知事支持の府議らが新会派へ 統一選で“橋下派”の受け皿に ・ 北海道開発局元課長を減給処分=公用車業務官製談合で−国交省(時事通信) ・ 五輪スノーボード 「応援に感謝」…国母が帰国(毎日新聞) ・ <長谷川等伯展>展示作業行われる 東京国立博物館(毎日新聞) ・ 「1Q84」続編、1万冊予約に最速12日間(読売新聞) ・ <五輪スピード>高木選手が高校合格内定(毎日新聞)
by cpie3k4vfp
| 2010-02-24 17:46
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